時価と路線価の逆転現象に対する事務連絡
国税庁は、平成4年4月に事務連絡「路線価に基づく評価額が「時価」を上回った場合の対応等について」を発表しています。
相続税の申告では、土地の評価は、原則的には路線価が基準とされることは周知のとおりであるが、路線価に基づく評価額が「時価」を上回った場合の対応について、国税庁は全国の国税局に次のような事務連絡をしています。
- 路線価等に基づく評価額が、その土地の課税時期の「時価」を上回ることについて、申告や更正の請求の相談があった場合、路線価等に基づく評価額での申告等でなければ受け付けないなどということのないように留意する。
- 路線価を下回る価額で、申告や更正の請求があった場合には、相続税法上の「時価」として適切であるか否かについて適正な判断を行うこと。
つまり、不動産鑑定評価による価格でも構わないと、言う事です。
しかしながら、時価と路線価の逆転現象に気付かずに路線価で相続税の申告をすれば、税務署さんは、この価格は時価より高いので訂正して下さいとは言ってこられません。そのままです。
時価と路線価の逆転現象があるか否かは、相続人の方、税理士の先生が気付いて修正していく以外に方法はありません。
また、相続税法上の時価鑑定に手慣れた不動産鑑定士の鑑定評価書でないと、税務署・管轄国税局のチェックに引っかかって時価鑑定が否認されてしまいます。くれぐれも注意してください。
この時点で、不動産鑑定士の時価鑑定が正しいことを鑑定評価書をもって説明し説得しなければならないのです。
そのためにも、時価鑑定に手慣れた不動産鑑定士が必要なのです。
相続において不動産鑑定が必要となる場合
相続財産評価基準による路線価評価 < 時価(鑑定評価)
Ⅱ.特別な場合
相続財産評価基準による路線価評価 > 時価(鑑定評価)
国税不服審判所の裁決事例(平成25年5月28日裁決)
【出典】国税不服審判所より>>>
この審判事例の評価額を整理すると、以下のようになります。
通達による価格(広大地適用)… 1億5,045万2,114円
請求人鑑定の価格…………………6,000万円
審判所鑑定の価格…………………6,930万円
上記の裁決事例は、通達による価格(1億5045万2114円)が必ずしも適正な時価を表さない場合には鑑定評価をもって時価を求めてもいいですよと述べています。
個性の強い土地については鑑定評価も1つの考え方です。鑑定による評価額が路線価等により求めた価格より低く求められることにより相続税額が減額されたり、又相続税の還付を受けたりすることができます。
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株式会社アプレイザル総研
不動産鑑定士・宅地建物取引士 小林穂積
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著書:土地評価の実務 / 広大地評価の重要裁決事例集 / 広大地評価判定の実務