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立退き料が1億3,000万円が相当【判例2】

【大手居酒屋チェーン店を展開する賃借人にとって建物使用の必要性は必ずしも高くなく立退料1億3,000万円の提供により正当事由が補完されるとした事例】

東京地判平27・3・6(平25(ワ)16411)

経年劣化した商業ビルX(賃貸人)は、本件ビル(鉄骨鉄筋コンクリート造陸屋根地下1階付3階建、延べ床面積1,443.49m)ほか2棟のビルを所有し、これらを一体の大型商業施設として営業をし、その一部を複数のテナントに賃貸していた。

本件ビルは、昭和32年頃に建築され、壁面に亀裂が生じたり構造物が一部傾斜したり壁面タイルが一部剥落してネットカバーの設置を余儀なくされたりし、その設備についても経年劣化が進行しており、また、建築基準法所定の新耐震基準(昭和56年6月1日施行)導入以前に建築されたもので東京都と新宿区の耐震改修促進計画の対象建築物である。Xは、動員数の減少に伴い、平成26年12月31日をもって映画館等を閉館し本件ビルを解体する旨の決定をしたが、現時点においてYのみがXとの間で明渡しに係る合意が成立していない。

Y(賃借人)は、平成12年以降、本件建物(本件ビルの地下一階部分)において、14年間にわたり居酒屋チェーン店の営業を継続してきたが、国内外に2000店以上のチェーン店を展開する大手事業者であり、新宿区内に19店、本件ビルのある○町地域のみでも5店の居酒屋チェーン店を置き、更なる店舗展開を計画するなどしており、Yが本件建物を使用する必要性は必ずしも高くなく、また、Yにおいて本件店舗の移転先を確保することに困難があるとまでいえないことをも考慮すると、Xが本件建物の使用を必要とする事情を一応肯定することができる。チェーン展開している大手の居酒屋

もっとも、下記の3点により相当な立退料が提供されることにより本件解約の申入れに正当の事由が具備するに至ると解される。

  1. 耐震改修促進計画に基づく耐震診断は行われていない上、Xは別件訴訟において本件ビルの商業性が高いことを主張して本件建物の賃料を大幅に増額することを請求していたこと、
  2. Xは基本的に土地の有効利用、高度利用という経済的な理由により本件建物の明渡しを請求するにすぎないこと、
  3. Xがいまだ土地の具体的な利用計画を明らかにしていないことを考慮すると、Xに本件建物の使用を必要とする事情を一応肯定することができるとしても直ちに本件解約の申入れに正当の事由があると認めるのは困難であること、

本件建物の借家権価格は、Xの依頼した鑑定士の借家権割合方式による試算価格を重視し1億3,800万円と算定するのが相当である。これに加え、Yは本件建物の明渡しにより営業を一定期間休止して移転や店舗の内装造作設備を廃棄することを余儀なくされること、本件解約の申入れに係る正当の事由の充足の程度等、諸般の事情を考慮すると、相当な立退料の額は1億3,000万円とすべきである。

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