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更新拒絶の補完として立退き料2000万円が相当【判例3】

更新拒絶の補完としての立退料

【立退き料は2,000万円を相当とした判例】

東京地判平22・2・24(平20(ワ)25651)

(1)上記認定事実によれば、Xは、昭和31年に、主として劇場公演用のホール及び映画館として使用する目的で本件建物を建築し、a劇場の名称で演歌等の公演を行ってきたものであるが、観客が激減し、損失を計上するようになったこと等から、平成20年12月31日をもって、a劇場を閉館したこと、また、本件建物は、築後約50年が経過し、Xの補修工事にもかかわらず、雨漏り等がみられ、老朽化が進んでいることが認められるから、今後、Xが、補修工事を実施しながら、本件建物を有効に使用することは困難であるというべきである。

築50年老朽化

そして、Xの代表者が、歌舞伎町一帯の再開発等を協議する目的で発足された歌舞伎町ルネッサンス推進協議会の構成員であることも考慮すると、Xは、本件建物を建て替える計画を有しているものと認めることができる。

さらにまた、Y代表者のBは、平成7年、Xの承諾なく、当時の本件店舗の賃借人であるS商事との間で、本件店舗の使用契約を締結し、本件店舗を使用したことが認められ、このような使用契約は、無断転貸というべきものである。

これらの事情に照らせば、原告の本件更新拒絶には相応の合理性があるというべきである。

他方、上記認定事実によれば、Yは、平成8年から、本件店舗において、寿司店及びたばこ店を経営し、a劇場の閉館後、売上が相当程度減少したものの、現在、Y代表者のB外8名が稼働しているのであって、Yが本件店舗で営業を継続する必要があると認められるから、Xの本件店舗の明渡しを求める必要性が、直ちには、Yの本件店舗の使用の必要性を上回るということはできないものの、本件更新拒絶についての補完として相当額の立退料の支払をすることにより、正当事由が具備されるものというべきである。

(2)そこで、立退料の額について検討する。

上記認定事実によれば、X不動産鑑定評価書は、本件店舗の借家権価格について、差額賃料還元方式によると920万円、鑑定評価基準記載収益方式によると1,000万円、控除方式によると910万円、割合方式によると3,300万円と算定し、割合方式による価格は上限値としての性格を有するからこれを参考に留めて、940万円と算定したことが認められるものの、割合方式による価格が上限値を示すものとは認め難いから、割合方式を含めた上記各算定方式による価格を等分の割合で考慮するのが相当である。そうすると、本件店舗の借家権価格は、次のとおり、1,532万5,000円となる。

(920万円+1,000万円+910万円+3,300万円)÷4=1,532万5,000円

そして、上記認定事実の本件店舗賃貸借契約の締結から現在までの経緯、賃料額がそのまま据え置かれていたこと、現在、Yの売上が、a劇場の閉館によって相当程度減少していること、本件店舗の明渡しによるYの営業上の損失及び移転費用等が相当額に及ぶものと予想されることなど本件に顕れた一切の事情を考慮すると、本件更新拒絶の正当事由が具備されるための立退料としては2,000万円を相当と認める。

 出典:新日本法規出版の書籍

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