本件土地の山林部分は、宅地部分との高低差が約8mの急傾斜で、宅地への転用が困難なので、近隣の純山林の価額に比準して評価するのが相当とした事例(福裁(諸)平23第5号 平成23年9月5日裁決)

本件土地の概要(山林部分)

登記簿による面積は、1,640.38㎡ですが、地積測量図による本件B土地の面積は、1,984.57㎡である。上記土地のうち、宅地の地積は1,070.24㎡山林の面積は914.33㎡である。

宅地への転用が困難な時の評価

②本件B土地の属する地域は、第1種中高層住居専用地域(建ぺい率60%、容積率150%)である。近隣の宅地も主に戸建住宅の敷地として使用されている。

③本件B土地の山林部分の現況は、宅地部分との高低差が約8mの急傾斜であるとともに隣接する土地の高いよう壁に囲まれていることなどから宅地への転用は困難である。

審判所の判断

A 全体の地積について

(A)認定事実

本件参考図は、当審判所に対する請求人の答述によれば、請求人が平成13年ころに本件B土地の一部の売却を検討していたことから、地積の確認のために実際に測量を実施し、その結果本件B土地全体の地積は1,984.57㎡であった。

B 山林部分の評価について

(A)認定事実
原処分関係資料及び当審判所の調査の結果によれば、次の事実が認められる。

a 本件B土地の山林部分の現況は、宅地部分との高低差が約8mの急斜面であるとともに隣接する土地の高いよう壁に囲まれていることなどから、宅地への転用は困難である。

b 本件B土地に最も近い純山林は、■■■■の純山林である。

(B)本件への当てはめ
山林部分の評価について判断すると、次のとおりである。

a 本件B土地の全体の地積は上記のとおり本件参考図の地積である1,984.57㎡であるところ、本件B土地の宅地部分の地積は上記のとおり1,070.24㎡であることから、差し引くことにより合理的に算出できる本件B土地の山林は市街地山林であり、その評価に当たっては評価通達49の定めにより評価することとなる。

b そして、本件B土地の山林部分は、市街地山林について宅地への転用が見込めないと認められる部分に該当するため、本件B土地の山林部分を評価するに当たっては、近隣の純山林の価額に比準して評価することが相当である。

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コメント

評価通達49(市街地山林の評価)では、市街地山林について下記のように定めています。

市街地山林について宅地への転用が見込めないと認められる場合には、その山林の価額は、近隣の純山林の価額に比準して評価する旨定めている。

そして、「その市街地山林について宅地への転用が見込めないと認められる場合」とは、その山林を上記によって評価した場合の価額が近隣の純山林の価額に比準して評価した価額を下回る場合、又はその山林が急傾斜地等であるために宅地造成ができないと認められる場合をいう。

個別性の強い土地の評価は、まず現地の物的確定、確認を十分に行うことです。
宅地部分との高低差が約8m」という具体的な数値は、「宅地の転用は困難」であるとする判断材料の一つになります。

 

 

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