不動産の交換に関する裁決事例をご紹介します。
借地権や底地の価格は説明しずらいので不動産鑑定を介在させていく方がよい結果を得られるのではないでしょうか。

不動産の交換にからんで争いになった裁決事例(1)

(1)昭和57年2月15日裁決(公開)

A土地の借地権とB土地の底地を交換し、借地人である請求人が乙土地の底地を買い取った。この行為によって交換は成立するか否かが問われたが、交換の特例の適用を認めた事例

《裁決要旨》

甲土地の借地権の一部と同土地の底地の一部を交換し、また、甲土地と地続きの乙土地を売買契約により取得した場合において、原処分庁は、実質上、これらを一体とする交換契約が締結され、乙土地の売買代金はその交換差金に当たるべきであり、当該交換差金の額が所得税法第58条第2項所定の割合を超えるから、交換の特例は適用されない旨主張するが、両土地はそれぞれの利用方法、地価、地代及び借地権割合等の評価に懸隔があってその経済的効用を異にしており、一体となって一つの効用を有するものとは認められないこと、並びに前記各契約当事者間においても経済的効用を異にする物件として認識され、かつ、単に事務処理の便宜上の理由から両契約がたまたま同日に締結されたにすぎないことなどの事実が認められるから、本件交換契約は実質的にも前記売買契約とは別個に成立しているものであり、同条第1項に規定する固定資産の交換の特例の適用を認めるのが相当である。

1)あらまし

①事実

請求人は、本件土地及びその周辺図のように、A土地(69.19㎡)とB土地(161.44㎡)(合せて甲土地という)を地主Cらから借りて建物を建て店舗兼居宅等の用に供すると共に、隣接地乙土地(156.42㎡)を同じく地主Cらから借りて請求人所有のアパートを建てていた。

昭和53年9月19日付で請求人は甲土地のうちのA土地の借地権をCらに譲渡し、これと交換にB土地の所有権(以下底地という)をCらから譲り受けるという本件交換契約書を締結し、これを交換した。又同日付で甲土地と地続きの賃借中であった乙土地(ただし、底地の部分をいう)について本件売買契約書を作成して、11,356,800円で買い取り、いずれも昭和53年9月21日にB土地及び乙土地についてそれぞれ所有権移転登記をした。

2)請求人らの主張

原処分庁は、甲土地及び乙土地について、これらを一体とした交換であって、本件売買代金11,356,800円は交換差金にあたると認定し、…所得税法第58条第1項(固定資産の交換の場合の譲渡所得の特例)の規定(以下交換の特例という)は適用されないとした。

しかしながら、本件売買は本件交換の成立を図るためにしたものではなく、本件交換は本件売買とは切り離して成立し、これらの物件を一体とした交換ではない。

したがって、本件交換は交換の特例が適用される場合に該当するから、請求人には譲渡所得が生ずる余地はない。

イ)本件交換は本件売買に先立って成立し、たまたまCらに相続税の納税資金を得る必要が生じたため本件売買を行ったもので、甲土地と乙土地とは別個の効用を持つ物件であり、本件交換は本件売買と一体ではなく、それぞれが別個の独立した法律行為である。

ロ)Cの亡父F(以下「F」という。)が生前、請求人と甲土地及び乙土地(合計地積05平方メートル。以下「本件土地」という。)に係る借地権及び底地の交換の交渉をするため作成した原案図(以下「交換原案図」という。)によれば、道路に面する甲土地の借地権割合は70パーセント、その裏側の乙土地の借地権割合は60パーセントと認識していたことが明らかで、これによっても、甲土地と乙土地とは交渉の当事者双方において全く別個の物件として認識し、取り扱われていたことがわかる。

ハ)本件土地の使用状況並びに利用区分については、甲土地は自宅兼店舗用地として、また、乙土地はアパート用地として明確に分かれており、地代の算定及び支払いはそれぞれ別個の算定基準によって行われていた。

ニ)仮に、甲土地と乙土地とが別な場所にあって離れていれば、事実認定上問題が生ずる余地がないのに、たまたま本件土地が地続きであったため、原処分庁は本件土地を一体として交換がされたものと事実を誤認したもので、更正処分は納得できない。

ロ 過少申告加算税の賦課決定処分について

上記の通り更正処分に違法があるから、過少申告加算税の賦課決定処分も違法であり、その全部の取り消しを求める。

3)審判所の判断

以上を総合すれば、次のとおり判断するのが相当である。

イ)本件土地は、本件交換などの前後を通じて甲土地が店舗兼居宅用地として、また、乙土地がアパート用地として使用され、その使用目的が一貫して異なるほか、甲土地と乙土地とでは固定資産税評価額や地代が著しく異なるものであるから、この両土地は地続きであるとはいえ、経済的には効用を異にした物件と認識するのが合理的であり、このことは隣接周辺土地の客観的な利用状況等からみても首肯できるものといえる。

ロ)また、請求人はF及びCと再三にわたって甲土地及び乙土地について、それぞれの区画の中で借地権の一部と底地の一部とを交換すべく交渉が持たれていたところ、昭和53年に至り、甲土地についてはまず本件交換が成立し、乙土地については交換が成立せず、請求人とCらの事情変更がからんで本件売買に至ったと認めることができる。
そして、その交渉経緯及び両土地の利用状況等に照らせば、本件交換と本件売買がおおむね同一時期に行われたものであるとはいえ、それぞれ別個の取引としてなされたものというべきであり、したがって、契約形式を甲土地については交換とし、乙土地については売買としても、いずれも実態に即していて何ら不自然、不合理とすべき点は認められない。

ハ)ところで、原処分庁の主張によると、甲土地と乙土地とは地続きであること、両土地は一体として将来の長期にわたる賃貸借契約がされていたことと及び本件交換と本件売買が同一時期に行われたことなどのいわば外見的理由から、甲土地と乙土地とは一体となって一つの効用を有するものであり、その一部を交換とし、他の部分を売買とすることは単なる形式にすぎず、交換行為及び売買行為とした実態は、A土地の借地権及び金員(ただし交換差金。)とB土地及び乙土地の各底地との交換であるとしているが、以上において認定したとおり本件土地は、その賃貸借の当初においては、甲土地及び乙土地の間には効用その他経済的に顕著な差異がなく一体として扱われ、将来にわたって賃貸借契約が締結されていたとしても、その後における街区の発展等本件土地周辺の状況の変化等をつぶさにみれば、両土地はそれぞれ土地の利用の方法や、それに伴う地価や地代、借地権割合の評価等に懸隔を生ずるなど、売買、交換などこれを処分する上で、交渉当事者間に主観的にも経済的に効用を異にする物件として認識され、その対象としていたことが認められるから、たまたま、乙土地が地続きであったことは前期認定の障害とならず、また、両土地についての処分が同日付の契約及び登記によって行われたことについて、請求人は、本件交渉相手のCが会社員であることから、契約書の作成や登記手続きなどに休暇を取ることがはばかられ、両土地について同日に済ませたかった旨答述するところ、その答述はその経緯や事情に照らして格別不自然、不合理なものとは認められない。
結局、本件土地は一体となって一つの効用を有する土地とは認めることはできないものというべきであり、また、交換の当事者のいずれにも、原処分庁が主張するような本件土地を一体として交換をする意図も、本件売買に係る代金を交換差金とする認識もなく、交換の当事者が交換の特例の適用を受けるために事実を湾曲して殊更に交換と売買とに作為した事実も認められないから、請求人の主張には理由があり、原処分庁の認定は相当でない。

ニ)したがって、甲土地についてされたA土地の借地権とB土地(底地)との交換は、所得税法第58条第1項に規定する交換に該当し、かつ、同条第3項に規定する適用要件を具備しているので、交換の特例の適用を認めるのが相当であるから、原処分庁はその全部を取り消すべきである。

(2)過少申告加算税の賦課決定処分について

過少申告加算税の賦課決定処分については、その計算の基礎となる税額の全部の取り消しに伴い、その全部を取り消すべきである。

190222図

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