本件土地は、開発道路を敷設せずとも、標準的な敷地に区画割が可能なので、広大地に該当しないとした事例 (関裁(諸)平23第67号 平成24年3月27日裁決)

1.本件土地の概要

本件1土地の地積は2166㎡(仮換地地積)です。本件土地は、区画整理事業地内に存する土地で、東・南及び北の三方で幅員6mの市道に接面するL字形の形状を有する土地です。本件1土地は、本件相続開始日において、商業施設の駐車場用地として貸し付けられていた。又用途地域は第二種低層住居専用地域(建ぺい率50%、容積率100%)です。

2.争点

本件1土地は、評価通達24-4に定める広大地に当たるか否か

3.原処分庁の主張

本件1土地は、開発行為を行うとした場合に、次のとおり、公共公益的施設用地の負担を要せず、かつ、法令等に違反することなく標準的な宅地の地積に区画割りすることが可能であると認められることから、評価通達24-4に定める広大地に当たらない

(イ)本件1土地は、別図1の区画割りのとおり、潰れ地を生じさせることなく標準的な宅地の地積である200㎡から300㎡までで区画割することが可能であり、この区画割りによる分譲開発が経済的に最も合理性がある。

原処分庁主張の区割図

(ロ)そもそも、本件1土地は、本件区画整理事業地に存し、都市計画法上必要とされる公共公益的施設用地は既に確保、整備されているから、別図2の区割図のようにあえて開発道路を敷設する区画割が経済的に最も合理的であるとするのは相当ではない

 

4.請求人の主張

仮に、評価通達に定められた評価方法により評価するとしても、本件1土地は、その周辺地域の標準的な宅地の地積である200㎡から300㎡までに比し地積が著しく広大で、開発行為を行うとした場合に、別図2の区画割図のとおり、公共公益的施設用地の負担が必要であるから、評価通達24-4に定める広大地に当たる

 

請求人主張の区割図

また、別図2の区割図のような区画割が、1区画の面積が売れ筋と想定される250㎡以下になるよう区画割され、戸建住宅の敷地として経済的に最も合理的であるのに対し、原処分庁が主張する別図1の区割図のような区画割は、現実的ではなく、1区画の面積も大きすぎることから合理的ではない

5.審判所の判断

(1)認定事実

請求人提出資料、原処分関係資料及び当審判所の調査の結果によれば、次の各事実が認められる。

イ ■■■の市街化区域において、開発区域の面積が1,000㎡以上で区画形質の変更を伴う工事を行う場合には、開発行為の許可を受けなければならない。

また、■■■■第12条《宅地計画基準》第1項は、戸建住宅用の宅地の面積をおおむね180㎡以上確保するよう定めている。

(2)争点について

(イ)本件1土地地域は、戸建住宅、駐車場用地及び畑が混在し、土地の利用状況、環境等がおおむね同一であると認められることから、評価通達24-4で定める「その地域」の範囲とするのが相当である。そして、本件1土地地域における標準的な宅地である戸建住宅の敷地の地積は、200㎡から300㎡程度までの規模であると認められる。そうすると、本件1土地の地積2,166㎡は、上記(1)イのとおり、■■■で開発許可を受けなければならない地積である1,000㎡以上であり、上記の標準的な宅地の地積である200㎡から300㎡程度までの規模に比して著しく広大であると認められる。

(ロ)また、上記のとおり、本件1土地について、本件1土地地域における標準的な土地の使用状況である戸建住宅の敷地として、別図2の区割図のように開発道路を敷設して行う開発方法は、別図1の区割図のように開発道路を敷設せずに行う方法に比べ合理性があるとは認められないことからすれば、本件1土地を経済的に最も合理性のある戸建住宅の敷地として分譲開発した場合に公共公益的施設用地の負担は必要ないと認めるのが相当である

(ハ)したがって、本件1土地は、その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大であると認められるものの、経済的に最も合理性のある戸建住宅の敷地として分譲開発した場合に公共公益的施設用地の負担は必要ないと認められることから、評価通達24-4に定める広大地に該当しない

 

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