500㎡未満の土地であるが、路地状開発を行なえば開発道路は不要なので、広大地として評価することはできないとした事例(東裁(諸)平21第171号 平成22年6月6日裁決)

1.本件土地の概要

本件土地の地積は、489.67㎡の土地で、幅員約4.5mの市道に等高に接面する略台形の土地である。本件土地が属する用途地域は、第一種中高層住居専用地域(建ぺい率60%、容積率200%)である。本件土地の周辺は、農地のほか共同住宅や戸建住宅が混在する住宅地域である。

2.争点

本件土地は、広大地として評価すべきか。

3.請求人らの主張

本件土地について戸建住宅分譲を想定した場合には、本件土地の面積は500㎡未満であり開発による最低敷地面積の制限がないことから、周辺地域のミニ分譲の開発事例の画地規模(80㎡程度)も勘案し、位置指定道路(建築基準法第42条第1項第5号)を設けて、別紙2の請求人らが主張する開発想定図のように5分割に区画割することが、原処分庁が主張する開発想定図により開発した場合に比べ造成費は多くなるものの、土地、建物の分譲収入は増加すると見込まれるため、最も合理的な分割と考えられる。

そうすると、開発道路等の潰れ地が生じることから、戸建住宅分譲用地としての開発に当たり、開発道路等の公共公益的施設用地の負担を要する。

したがって、本件土地は、広大地として評価すべきである。

開発想定図(別表2より 請求人らが主張する開発想定図)

ロ 仮に、原処分庁が主張する開発想定図の2及び3の画地のような路地状部分を含めた敷地(以下「路地状敷地」という。)を組み合わせた開発(以下「路地状開発」という。)が合理的であったとしても、路地状開発を行うと、不整形な画地を生み出す上、路地状部分の用途が通路として限定され、広大地とほぼ同様の減価が生じるから、広大地の評価を準用して評価すべきである。

4.審判所の判断

(1)あてはめ

イ 本件通達に定める「標準的な宅地の地積」について

当審判所の調査の結果によれば、本件相続開始日現在の本件地域における土地の利用状況は、農地のほか共同住宅や戸建住宅が混在している地域であり、上記の利用状況は、農地のほか共同住宅や戸建住宅が混在している地域であり、戸建住宅地として開発が進行し、そして、これらの戸建住宅の平均敷地面積は117.59㎡であること、さらに、指導地積からすると、本件地域における「標準的な宅地の地積」は100㎡から130㎡程度と認めるのが相当である。

そうすると、本件土地の地積は、489.67㎡であるから、本件土地は、本件通達に定める「著しく地積が広大な宅地」に該当する。

ロ ① 本件通達に定める「公共公益的施設用地の負担」の要否について

本件通達の趣旨に照らせば、公共公益的施設用地の負担の必要性については、経済的に最も合理性のある開発を行った場合においてその負担が必要となるか否かによって判断するのが相当である。

② 上記までの各事実によれば、本件土地の最有効使用は戸建住宅の敷地であるといえるが、原処分庁が主張する別紙2の開発想定図に基づいて本件土地を分割すれば、①各画地が標準的な宅地の地積を満たすこと、②分割方法も都市計画法等の法令などに反するものではないこと、③建ぺい率及び容積率の算定に当たって路地状部分の面積も敷地面積に含まれるため、位置指定道路を設けるよりも広い建築面積及び延べ面積の建築物を建てることができ、路地状部分を駐車場として利用することも可能になることが認められるそして、現に、本件地域内に路地状敷地の区画が複数あることなども考慮すると、本件土地については、路地状開発により戸建住宅分譲用地とすることが経済的に最も合理的であるといえ、位置指定道路を設けた上で、標準的な宅地の地積を下回る約80㎡ずつ5画地に分割することが最も合理的であるとの請求人らの主張は採用できない。

開発想定図

(別表2より 原処分庁の主張する開発想定図)

 

③ したがって、本件土地は、路地状開発を行うことにより道路等の公共公益的施設用地の負担は必要と認められないから、本件通達を適用することはできず、広大地として評価することはできない

 

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