本件宅地の価額は、本件宅地と本件各借地とを併せた土地を1画地(評価単位)とした上で評価すべきか否かが争われた事例 平成26年4月22日裁決(東京公開

1.事案の概要

本件は、相続人が相続により取得した本件宅地の価額は、本件宅地と本件各借地とを併せた土地を1画地(評価単位)として評価して相続税の申告をしたところ、原処分庁が土地の評価に誤りがあるなどとして、相続税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分をしたのに対して、請求人らが当該各更正処分等の一部の取り消しを求めた事案である。

所有する宅地と借地権の評価

2.本件宅地等の利用状況等

  • (イ)本件宅地……902.43㎡
  • (ロ)本件A宅地…168.00㎡
  • (ハ)本件B宅地…198.34㎡

合計1268.77㎡(本件敷地という)

上記土地上に鉄筋コンクリート造2階建の建物(延450.61㎡・本件賃貸ビル)と鉄筋コンクリート造陸屋根9階建の建物(延4132.12㎡・本件共同住宅)があります。

3.審判所の判断

(イ) 本件宅地の評価単位について
自己が所有する宅地に隣接する宅地を借りている場合に、当該隣接する宅地を借りる権利が当該隣接する宅地(借地)を専属的に利用できる権利である場合で、当該所有する宅地と当該借地を併せて全体が一体として利用されているときには、その全体を1画地の宅地として評価することが相当である

しかるに、
①本件各借地権は、本件共同住宅の敷地として本件各借地を専属的に利用できる権利であること、
②本件被相続人は、本件相続開始日において、自己が所有する本件宅地と隣接する本件各借地を併せて、本件共同住宅の敷地として、その全体を一体として利用していたことからすると、本件宅地の価額は、本件各借地と併せた全体を1画地の宅地として評価することが相当である

(ロ) 請求人らの主張について
  請求人らは、本件各借地権は、借地借家法上の借地権ではあるが、相当地代通達の定めに基づきその価額が零円と評価されるから、実質的には借地借家法による保護を受けない借地権であって、隣地を利用する権利が使用借権である場合と同様に、本件宅地のみを1画地の宅地として評価すべきである旨主張する

しかしながら、使用借権には借地借家法の適用がなく、借主の死亡が使用貸借の終了原因とされているところ、本件各借地権には借地借家法の適用があり、所定の要件を満たせば従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなされる(借地借家法第5条第1項及び第2項)上、本件A借地に係る土地賃貸借契約については、借主の死亡によって終了するものではないこと、また、本件B借地に係る土地賃貸借契約については、借主の死亡のみによって当然に終了するものではなく、請求人が本件共同住宅を相続したときに、本件B借地の所有権と借地権が同一人に帰属することによって、当該借地権が混同により消滅する(民法第179条《混同》第1項)にすぎないことから、本件各借地権の価額が相当地代通達の定めに基づき零円と評価されることによって、上記のとおりの本件各借地権の内容が変わるものでもない。

したがって、本件各借地権が実質的には借地借家法による保護を受けない借地権であるなどとして、その内容を使用借権と同様に見ることはできず、本件各借地権が使用借権と同様であることを前提として本件宅地のみを1画地の宅地として評価すべきであるとする請求人らの主張は、前提を欠くものであり、理由がない。

 (ハ) 本件宅地の価額について
以上から、本件宅地の価額は、本件宅地と本件各借地とを併せた全体を1画地の宅地として評価した価額を基に評価することが相当であり、これにより本件宅地の価額を評価すると、別表2の原処分庁算定による本件宅地の価額と同額となる

 

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