1.基準地価(7/1の価格)商業地、9年ぶりプラス !!

全国全用途は25年連続下落

(単位%)
全国▲0.8
(▲1.0)
0.005
(▲0.5)
▲0.6
(▲0.9)
三大都市圏0.4
(0.4)
2.9
(2.3)
1.0
(0.9)
東京圏0.5
(0.5)
2.7
(2.3)
1.1
(1.0)
大阪圏0.0
(0.0)
3.7
(2.5)
0.8
(0.6)
名古屋圏0.5
(0.7)
2.5
(2.2)
1.1
(1.1)
地方圏▲1.2
(▲1.5)
▲1.1
(▲1.6)
▲1.2
(▲1.5)
中核4都市2.5
(1.7)
6.7
(3.8)
4.0
(2.4)
注)前年比、カッコ内は前年、▲は下落、中核4都市は札幌、仙台、広島、福岡
国土交通省が9月20日発表した2016年7月1日時点の基準地価は、全国商業地が前年比0.005%のプラスとわずかながら9年ぶりに上昇しました。訪日外国人が増え、店舗やホテル用の地価が上がりました。マイナス金利でだぶついたマネーが地方の中核都市に流れ込み、札幌、仙台、広島、福岡4市の商業地上昇率は6.7%と三大都市圏の2.9%を大きく上回りました

商業地に比べると住宅地の回復は鈍い。三大都市圏は0.4%上昇と前年と変わらず。名古屋圏の上昇率は0.5%と前年の0.7%と比べて鈍化しました。首都圏ではマンション価格が上がり、販売が振るいません。住宅地が上昇した都道府県は前年の8から5に減りました。

地域別では三大都市圏の伸び悩みと地方の二極化が目立ちました。三大都市圏では不動産の投資利回りが低下し、魅力的な物件が減少。一部で投資を見合わせる動きが出ています。全用途の上昇率は1.0%と、前年の0.9%とあまり変わりません。

人口減少という構造問題を抱える地方は依然厳しく、近隣地域の人口や経済活動が集積する札幌など中核4市を除く地方圏の全用途は1.4%下落しました。秋田県は住宅地が3.4%、商業地が3.8%のマイナス。人口減少や高齢化が全国でもっとも進んでおり、地価の下落率も全国1位でした(日本経済新聞2016.9.21)。

2.店舗賃料、大阪で上昇(心斎橋等)!!

近畿2府4県が9月20日発表した2016年7月1日時点の基準地価は、大阪府の商業地の上昇率が4.7%と2年続けて全国都道府県の1位でした。都市部を中心にマンション用地の需要が旺盛でした。ただ訪日外国人需要で地価を押し上げたホテル用地の売買の足元に一服感があるほか、利便性の悪い地域は低迷が続き、住宅地は人口減や高齢化が響き大阪府以外で下落しました。

商業地は大阪府が4年連続で上昇しました。上昇率は前年(3.6%)を上回り、最近ではリーマン・ショック前年の07年(10.4%)に次ぎ府内で上昇率1位の大阪市中央区南船場3丁目のりそな心斎橋ビルはカジュアルブランド店が並ぶ長堀通に面し、全国でも3位。ビジネスホテル建設が相次ぐ府内2位

の同市浪速区日本橋3丁目周辺も全国4位につけました。空き店舗が目立つ商店街、交通が比較的不便な場所は下げました。地区別で下落率が1.7%と最も大きいのが寝屋川市香里南之町。京阪香里園駅前の商業施設の影響で商店街が苦戦しました。

京都府の上昇率は3.3%と15年の倍以上。ホテル稼働率が9割台と高い京都市は6.5%上がりました。

下落から横ばいに転じたのは兵庫県。三宮センター街付近が15.8%上昇するなど三宮地区の需要が強いです。奈良県も横ばいに転じました。奈良市の近鉄奈良駅周辺はインバウンド(訪日外国人)増加で5.1%上昇しました

滋賀県は3年連続で上昇しました。大津、守山、草津市など県南部のJR駅周辺の需要が旺盛だ。和歌山県は5年連続で下落率が縮小。和歌山市は26年ぶりに上昇しました。

住宅地は大阪府が3年連続で横ばい。大阪市北区、福島区が上昇した半面、府東部や堺市を除く府南部は下落傾向です。京都府は9年連続で下落。奈良県は8年連続で下落しました。滋賀県も8年連続の下落。和歌山県は5年連続で下落率が縮小しました。(2016.9.21日本経済新聞)

 

3.危うさ潜む地価上昇 投資マネー主導鮮明に!!

2016年の基準地価は札幌市や広島市など地方中核都市で上昇が鮮明になりました。追い風となったのは、マイナス金利や訪日外国人の増加などを背景とする中心地の再開発です。もっとも、投資マネーが主導する地価の上昇には危うさも潜む。地価が上がり続けるかどうかは、訪日客の動向など実需が鍵を握ります

■路線価の5倍

福岡県の商業地は前年の0.2%下落から1.1%上昇に転じました。けん引したのはホテル建設ラッシュが続く博多駅周辺です。18年度までの新規供給客室は1000室超。用地の入札は加熱ぎみで「2月には大阪のデベロッパーが路線価の5倍に近い高値で落札した」(金融機関)という。

全国の商業地の上昇率トップ10(11地点)のうち、東京は2カ所のみ。名古屋と大阪に加え京都や金沢でも25%以上の上昇地点が出ました。都市未来総合研究所の平山重雄氏は「06~07年のミニバブル期と同じ傾向。東京の物件取得が難しくなり、投資資金が地方に流れている」と話す

広島東洋カープの25年ぶりのリーグ優勝に沸く広島市の中心部では15%を超す上昇地点が出ました。ここ数年、ヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)やパルコなど大型商業施設の開業や改装が相次ぎ、集客力が増しています。

異常値のような数字も出始めました。住宅地の上昇率が27.3%と全国1位になった北海道の倶知安。ニセコのスキーリゾートを目当てに別荘を建てたい外国人の購入希望が殺到しています。将来のホテル開発を見越した青田買いも盛んで、林地の上昇率は全国トップの23.8%でした。

訪日客はなお増えています。しかし、1人当たりの旅行支出は4~6月に前年同期比で1割近く減った。訪日客の消費拡大を当て込んだ不動産の争奪戦が、いつまでも続くとは限らない(2016.9.21 日本経済新聞)

 

4.不動産市況、足元は天井感!!不動産取引額、減少に転じる。

足元では不動産市況のピークアウトも懸念され始めています。都市未来総合研究所によると、1~8月の不動産取引額は2兆6665億円と、前年の同じ時期に比べ、2割減少しました。現象は2012年末に第2次安倍政権が誕生して以来初めてです。不動産各社や海外勢が購入を控えています。東京都心などでは価格が上がりすぎ、もうけが出にくくなっていることが背景にあるようです

「無理して土地を仕入れる必要はない」。ある不動産大手のトップは、社内にこんな号令をかけています。海外勢からも「高すぎて様子見」(米系不動産ファンド)といった声が出ています。円高基調が強まり、海外勢からみて日本の不動産の割安感が薄れた面もあり、今はむしろ利益確定している段階です。

都心部では上昇の勢いに陰りも出てきました。2月に不動産投資信託の日本リテールファンド投資法人が東京・銀座で購入した商業ビル。価格は3.3平方メートルあたり2億2000万円と極めて高い水準にのぼりました。一方、8月末に阪急電鉄が同じ銀座で購入した土地は3.3平方メートルあたり1億4423万円でした。物件の種類が違うので単純比較はできないが、半年で4割弱安くなりました。依然として「どんな用途でも採算をとるのは難しい」と不動産業界でささやかれるほどの高値水準です。阪急電鉄では「用途は検討中」としています。

不動産各社は2007年のミニバブル時に高値で物件を買い、後に多額の損失を出した経験があり、三菱地所は新宿区内の日本テレビゴルフガーデン跡地などで886億円、東急不動産も現在は東急プラザ銀座となっている土地などで270億円、それぞれ損失を計上した。足元の不動産市況はそうした「苦い記憶」を想い起こさせるような動きになっています(2016.9.21日本経済新聞)。

 

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