広大地は、昨年(H29年)12月31日をもって終わりましたが、広大地による相続税還付はこれからも活用できます。

相続財産は評価基本通達の定めに従って評価を行うべきですが、評価基本通達の定めにより難しい特別な事情がある場合には不動産鑑定士の時価鑑定が可能です。

本件は広大地を絡ませた事案をご紹介いたします。

(1)評価の原則・特別の事情とは

相続税法第22条では、相続などにより取得した財産の価額は当該財産の取得の時における時価による旨定め特別な事情がある場合の評価方法ています。しかし、この場合の時価とは、国税庁の財産評価基本通達において「時価とは、課税時期において、それぞれの財産の現況に応じ、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認める価額をいい、その価額は、この通達の定めによって評価した価額による」と定められています。
したがって、財産評価は通達に定める方法に即して行われるのですが、「通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する。」(財産評価基本通達・総則6項)とあります。
審判事例や判例でも相続財産の評価をするにあたり、評価基本通達に基づき評価するのが原則ですが、通達によらないことが相当と認められるような「特別の事情」がある場合には、ほかの合理的な時価の求める方法を採用される場合があります。
しかし「著しく不適当」というのはどのような場合か、「時価」をどうとらえたらいいのか争いになるケースもあることに注意する必要があります。本件は広大地を絡ませた事案をご紹介いたします。

(2)審判事例の紹介

1)平成25年5月28日裁決

①本件土地の概要
本件土地は、駅から約2.1kmに位置し、第一種低層住居専用地域(建ぺい率50%、容積率100%)及び文化財保護法に規定する周知の埋蔵文化財包蔵地に該当する「R遺跡」内に存する。本件土地は袋地となっている土地です。
本件土地は急傾斜の崖地(以下本件崖部分という)があって、本件崖地部分は、隣接する本件西側接面道路との高低差が最大約6m程度ある。
本件崖地部分の水平面積は626.25㎡で、本件土地の約20%を占めている。また本件崖地部分の外周部分の距離は、…100m弱である。
本件土地は、本件相続開始時において本件1土地は未舗装の駐車場、本件2土地は本件市道から本件1土地への未舗装の進入路となっている。
袋路状道路での開発許可は、開発面積が1,000㎡未満の場合に限られ、それ以上の面積を開発する場合には、別に進入路を確保する必要がある。
ちなみに本件土地は本件1土地2,716.74㎡、本件2土地343.01㎡、合計3,059.75㎡である。
又、a市の文化財の調査によれば、本件土地が所在するR遺跡に指定されている区域内では、過去の試堀で発掘調査の対象になった事例はない。

②審判所の判断
上記の通り、評価通達に定められた評価方法により算定される価額が時価を上回る場合には、評価通達の定めにより難い特別な事情がある場合に該当するといえ、その場合には、評価通達の定めによらず、ほかの合理的な評価方法により評価することが許されると解されるところ、本件土地につき、広大地通達を適用して算定される価額(150,452,114円)は、本件土地の本件相続開始時における価額(時価)である審判所鑑定評価額(69,300,000円)を上回ることから、本件土地の評価額を評価するに当たっては、評価通達の定めにより難い特別な事情があると認められ、本件土地の評価額は審判所鑑定評価額とするのが相当である。

審判事例の評価額を整理すると、以下のようになります。

通達による価格(広大地適用):1億5,045万2114円
請求人鑑定の価格:6,000万円
審判所鑑定の価格:6,930万円

審判事例は、広大地評価をして時価を算出しても、その時価は必ずしも適正な時価をあらわさない場合、すなわち市場価値を反映していることがあることを物語っています。個別性の強い土地の場合は、このような場合があるので、注意が必要です。
本審判事例が仮に評価通達による評価額のままだった場合、遺産分割で手に入れた相続人が物件を売却しようとしても、6,000万円でしか売却できない可能性があります。このような事態が想定されることを考えると、再考が必要だと思います。

 

広大地は、昨年(H29年)12月31日をもって「地積規模の大きな宅地の評価」に変わりましたが、広大地を使った相続税還付はこれからも活用できます。

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