広大地は、昨年(H29年)12月31日をもって終わりましたが、広大地による相続税還付はこれからも活用できます。

本件土地は、道路を開設することが最も合理的なので広大地として評価するのが相当であるとした事例(平成23年5月9日裁決 公開・東京 )

本件土地の概要

本件土地の面積は、528㎡の土地で相続開始日において、本件被相続人の自宅敷地の用に供していた。本件土地は、東側約7mの公道(以下本件東側道路という)に接面する間口19.10m、奥行27.83mのほぼ長方形の土地です。本件土地の属する用途地域は、第一種低層住居専用地域(建ぺい率50%、容積率100%)です。

争点

本件土地は、本件通達に定める広大地として評価すべきか否か。

原処分庁の主張

イ 原処分庁の評価基本通達24-4に定めるその地域(以下本件地域という)における標準的使用は、戸建住宅の敷地であると認められ、本件地域の開発状況等から、標準的な宅地の地積は110㎡ないし150㎡程度である。

ロ 本件土地を上記イの標準的な宅地の地積に基づき開発する場合、別紙の「原処分庁が主張する開発想定図」のとおり、路地状部分を有する宅地(以下「路地状敷地」という。)を組み合わせた開発(以下「路地状開発」という。)により、4区画の宅地(1区画当たりの地積119.04平方メートルないし146.05平方メートル)で公共公益的施設用地の負担を生じることなく開発することができること、本件土地は、公法上、路地状開発を行うことが可能であること、路地状部分は通路に限らず駐車場としても利用できること、本件地域内に路地状部分を有する敷地が複数存在していることから判断すると、本件土地について路地状開発を行うことに経済的合理性がある。

ハ 本件土地と隣接する土地(p県d市e町○-○ほかの宅地526.86平方メートル、以下「本件隣接地」という。)の一開発事例をもって本件土地について道路を開設する開発が合理的であるとの判定はできない。

また、本件隣接地は、全体の地積のおおむね16%が位置指定道路として潰れ地となっており、建ぺい率及び容積率の点において路地状開発に比べ不利な点があるから、道路を開設する開発が経済的に最も合理性のある戸建住宅用地の開発であるとは認められない。

ニ 以上から、本件土地は本件通達に定める広大地として評価することはできない。

請求人の主張

イ 本件土地は、近隣地域の標準的な宅地の地積に比して、著しく地積が広大であり、区画割をした戸建分譲地とすることが最有効使用といえる。

そして、この地域における最低敷地面積に係るd市の行政指導に従って、最低敷地面積を80㎡程度として、別紙の「請求人が主張する開発想定図(その1)のように5区画に分割する開発をすると、道路として公共公益的施設用地の負担が必要となる。

ロ また、本件相続開始日から約5年前に、本件隣接地が道路を開設した戸建分譲地として開発され公共公益的施設用地の負担が生じていることからみても、本件土地も同様に、道路を開設して開発することが最も経済的に合理的な開発である。

ハ 以上から、本件土地は本件通達に定める広大地として評価すべきである。

審判所の判断

(1)認定事実

(イ)本件土地が属する用途地域は、第一種低層住居専用地域であり、当該地域は、北側はf中学校通り、東側はg川、南側はh通り、西側はj通りで囲まれた地域であり、主として戸建住宅が立ち並ぶ地域である。

(ロ) 上記(イ)の地域における近年の開発状況について当審判所が調査したところによれば、従前の土地が分割され戸建住宅敷地とする開発事例は12件あり、そのうち、道路を開設する開発事例が5件、路地状開発による開発事例が4件、その他の開発事例が3件である。

そして、これらの開発事例における全区画数は58区画、これらの区画の1区画当たりの平均宅地面積は111.61平方メートルであり、また、90平方メートル以上120平方メートル未満の面積の宅地の区画数は34区画と全区画数の58.6%を占めている。

(ハ) 上記(ハ)に掲げた道路を開設する開発事例の5事例は、開発面積が約500平方メートルないし約1,800平方メートルの土地において行われたものであり、宅地の区画数は4区画ないし11区画の開発事例である。

一方、上記(ハ)に掲げた路地状開発による開発事例の4事例は、いずれも一路線の公道に面した土地であり、また、そのほとんどが間口距離が短く間口距離に比べて奥行距離が長大である細長い形状の土地での事例である。また、上記4事例は開発された土地全体の面積が約280平方メートルないし約400平方メートルの比較的小規模の面積の土地での事例であり、路地状開発により区画された区画数は路地状敷地を含めていずれも2区画又は3区画の開発である。

(ニ) 本件隣接地は、東西に細長い長方形の土地であり、平成15年に戸建住宅用地として道路を開設した開発が行われ、宅地の区画は4区画であり、上記(ハ)の開発事例に含まれている。

(2)当てはめ

イ 本件通達に定める「その地域」について

本件土地の本件通達に定める「その地域」は、本件土地が所在するd市e町○丁目及び隣接する同f町○丁目の地域であり、その地域は、北側はf中学校通り、東側はg川、南側はh通り、西側はj通りで囲まれた地域であると認められ、当該地域は原処分庁が主張する本件地域と同一の地域である

ロ 標準的な宅地の地積について

(イ)本件地域は、本件地域の戸建住宅敷地として開発された58区画の宅地の平均面積は111.61㎡であること、及びその面積が90㎡以上120㎡未満のものが34区画と全区画数の58.6%を占めていること等から、本件地域の標準的な宅地の地積は90㎡ないし120㎡未満であると認めるのが相当である

(ロ)上記より、本件通達のその地域における標準的な宅地の地積は、90㎡ないし120㎡未満であるから、本件土地はこれに比して著しく地積が広大な土地に当たる。

ハ「公共公益的施設用地」の負担の要否について

(イ)本件地域の「標準的な宅地の地積」は、90㎡ないし120㎡未満であるから本件土地は宅地の区画として4区画又は5区画の開発が想定される。

(ロ)本件地域における近年の開発状況等をみると、道路を開設した開発事例が路地状開発の事例より多く、その開発は面積が約500㎡ないし約1800㎡の土地で行われ、宅地の区画数は4区画ないし11区画であり、本件隣接地の開発も含まれている。

(ハ)本件地域において路地状開発による事例もみられるが、当該事例は比較的小規模な面積で間口距離に比して奥行距離が長大な細長い形状の土地や、土地の形状や公道との接続状況及び面積から見て路地状開発によらざるを得ない、道路の開発による開発が困難な土地の事例であり、本件土地は上記各事例とは条件を異にする。

そして本件地域における路地状開発は、約280㎡ないし約400㎡程度の比較的小規模な土地においてのみ行われ、開発による区画数も路地状敷地の区画を含めて2区画ないし3区画にとどまっている。

本件土地と地積が同規模又はそれ以上の土地で、土地の形状や公道との接続状況が本件土地と類似する土地での原処分庁が主張するような路地状開発の事例は見受けられない。

(ニ)イ.本件地域における近年の土地の開発状況等並びに本件土地の形状、公道との接続状況及び面積等からすれば、本件土地は「請求人が主張する開発想定図」のように、道路を開設して開発するのが経済的にも最も合理的な開発であると認められる。

ニ したがって、本件土地は開発行為をするとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要な土地と解すべきである。

 

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コメント

本件土地は528㎡の土地でほぼ正方形の一方路の土地のため、添付図面のごとく路地状開発がいいのか、開発道路を設けた方がいいのか説明するにはとても難しい土地です。しかし、広大地評価において路地状開発が妥当か、道路開設による開発が妥当かの判断が求められます。開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要と認められるものは、広大地として評価しますが、路地状開発を行うことが合理的と認められる場合は広大地には該当しません。

路地状開発を行うことが合理的と認められるかどうかの判断は次の事項を総合的に勘案して判断することになります。

①路地状部分を有する画地を設けることによって、評価対象地の存する地域における「標準的な宅地の地積」に分割できること

②その開発が都市計画法、建築基準法、都道府県等の条例等の法令に反しないこと

③容積率及び建ぺい率の計算上有利であること

④評価対象地の存する地域において路地状開発による戸建住宅の分譲が一般的に行われていること

(弊社 代表取締役 小林の出版本より引用)

 

広大地は、昨年(H29年)12月31日をもって「地積規模の大きな宅地の評価」に変わりましたが、広大地を使った相続税還付はこれからも活用できます。

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