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留意すべき事項(広大地)

広大地評価において留意すべき事項

1.マンション適地の判断基準

広大地判定における「マンション適地」か否かの判定は、その宅地の存する地域の標準的使用の状況を参考にすることになります。

広大地通達にいう「その地域」とは、土地の利用状況の連続性や地域の一体性を分断して土地利用上の利便性や利用形態に影響を及ぼすことがあり得る客観的な事情を総合勘案し、利用状況、環境等がおおむね同一と認められる、ある特定の用途に供されることを中心としたひとまとまりの地域を指すものと解するのが相当である、としています。

平成24年12月14日付の公開裁決(仙台)では、下記のように述べて、マンション適地に該当すると判定しています。

平成24年12月14日付 公開裁決(仙台)
このように交通・接近条件で本件X地域に比しやや劣る本件乙地域の標準的使用及び開発状況は、本件相続開始日現在において、3階建ての集合住宅が3棟あったほか、○○マンションが建築中であり、本件相続開始日以後に本件乙地域内で建築された建物は、2階建ての保育園及び5階建ての老人短期入所生活介護施設であり、平成10年以降、1,000㎡以上の土地について戸建住宅用地を含めて開発行為は一切行われていない。

加えて(二)念のために本件X地域が所在する本件土地区画整理事業の施行地区内の開発行為は一切行われていない。

これらのことからすると、本件A土地の最有効使用は、戸建住宅の敷地として細分化して利用することではなく、中高層の集合住宅等の敷地として一体的に利用することであると認められるのが相当である。したがって、本件A土地はマンション適地に該当すると認められる。

【出典】国税不服審判所より

マンション適地

マンション適地になった要件をまとめると下記の通りです。

  1. その地域に集合住宅が3棟あること
  2. 本件相続開始日以降、保育園・老人短期入所生活介護施設が建てられたこと
  3. 平成10年以降1,000㎡以上の土地は戸建住宅の開発がないこと

以上からマンション適地と判断されました。

2.公共公益的施設用地の負担の必要性

評価基本通達の「その地域」における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大な土地に当たり、公共公益的施設用地の負担が必要と認められるならば、評価基本通達に定める広大地として評価することになります。

以下において国税不服審判所の裁決事例を掲載しました。

裁決事例(仙台 公開:平成24年8月28日裁決) 
「仮に本件土地について路地状開発を行うとすれば、別紙の原処分庁が主張する開発想定図にある開発を行うことが想定されるところ、この場合の路地の長さは20m程度必要となるが、このような長さの路地がある路地状開発の事例も、本件甲地域内の路地状開発の事例6件の中に1件もない。

そうすると、原処分庁の主張する開発想定図は、本件甲地域においても一般的な開発想定図であるとは言えないから、本件土地については、別紙のとおり、道路開設による開発をするのが経済的に最も合理的な開発であると認められる。

したがって、本件土地は開発行為をするとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要な土地であると認められる。

【出典】国税不服審判所より

ここまで踏み込んだ裁決書は少ないかと思います。

この裁決書から読み取れることは、路地の長さが20mという数字だと思います。これ以上の路地の長さは一般的でないので、その地域の実状と照らして判断しましょうと考えていけばいいのかと思います。

路地状開発を否認した裁決事例(関裁(諸)平15第77号・平成16年6月28日裁決)がありますので、ご紹介致します。

関裁(諸)平15第77号・平成16年6月28日裁決

①本件土地は、開発行為を行うとした場合には開発許可を必要とする土地であり、また、各認定事実によれば、明らかに潰れ地が生じない土地には該当しないから、本件土地の価額を算定するについて、評価基本通達24-4を適用することは合理的と認められる。

②本件土地は公道からの奥行の長い土地であるから、仮に本件土地を課税庁が主張するような旗状の宅地として開発する場合、公道から離れた土地については、公共公益的施設用地としての道路に代えて公道に通ずるための通路が必要となる。

そして、この通路部分は、通路として用途が限定されることとなり、また旗状に画地を分けることにより、本件土地内に不整形な画地を生み出すことになるから、このような開発は、公共公益的施設としての道路を設ける開発と同様に、本件土地の評価額を低下させる原因となることが認められる。そうすると、このような事情を考慮した場合、本件土地を評価基本通達24-4の定めに従って評価することは必ずしも不合理であるとは言えない。

【出典】国税不服審判所 非公開事例

公共公益的施設用地(道路)

本件の場合、本件相続発生日以降に本件土地を購入した業者が道路を設けず、いわゆる旗状の宅地として本件土地の一部を開発したものです。

それにもかかわらず、原処分庁は、このことを根拠に広大地を否認しましたが、審判所は、開発道路が必要と判断し、原処分庁の主張を退けて広大地として認めています。

その理由は、公道からの細長い土地のため旗状に画地を分けると本件土地内に不整形な画地を生じさせるので、土地の評価額を定価させる原因となります。

よって本件土地内に開発道路を設けることは必ずしも不合理ではありません。したがって広大地として評価を認めるとしました。

本件の審判所の判断は、旗状の開発すなわち路地状開発の問題点を指摘した貴重な事例だと思います。

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著書:広大地評価の重要裁決事例集(プログレス刊)
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