1.地価下落地区 前回調査(1~4月)の9倍超 上限は激減 経済停滞響く!
新型コロナウイルスによる経済活動の停滞が地価を押し下げ始めた。国土交通省が8月21日発表した4月から7月にかけての主要都市100地区の動向を見ると、下落した地区数は前回調査(1~4月)の9倍超に急増した。小売店や飲食店の集まる繁華街が外出自粛や訪日客急減の影響を受けている。地価の上昇局面は転機を迎えたようだ。
地価は近年、都市部の再開発や年3千万人を超えた訪日客の旅行需要で上昇を続けてきた。公示地価(1月1日時点)は2020年まで5年連続で上がり、地方でも上昇の動きが広がり始めたところに新型コロナによる経済の急収縮が起きた。
地価の変調を浮き彫りにしたのは国交省の「地価LOOKリポート」だ。全国の主要都市を対象に、駅前の商業地や駅周辺の住宅地など100地区の3カ月間の地価変動率を年4回公表する。
下落した地区は前回4地区だったが、今回は9倍超の38地区と全体の4割近くに達した。上昇した地区は前回の73から1に激減した。下落地区の数が上昇地区を上回るのは12年4~7月以来、8年ぶり。横ばいの地区も23から61に急増した。
下落が目立つのは、外出自粛や休業要請で打撃を受けた繁華街の多い大都市圏だ。大阪圏では下落地区の割合が全25地区中17カ所と約7割に達した。地域を代表する商業地である心斎橋やなんばは「0~3%の上昇」から「3~6%の下落」に転じた。名古屋圏は9地区全てが下落した。
東京圏は横ばいの地区が全体の9割弱と、大阪と名古屋に比べて踏みとどまったが、東京を代表する繁華街は厳しい。
商業施設が集中する銀座4丁目交差点周辺の銀座中央は横ばいから「0~3%の下落」に転じた。調査にあたった不動産鑑定士は「小売店や飲食店の売上高が急減し、高額な物件取引が成立しづらくなった」と語る。
東京の歌舞伎町と上野は「0~3%の上昇」から一転して「3~6%の下落」となった。
訪日客の増加が地価に与えた影響は三大都市圏と札幌など地方の大都市で大きい。その訪日客数は7月まで4カ月連続で前年同月比99.9%減となった。新型コロナの感染拡大を防ぐための入国制限が続いており、観光客については緩和の時期が見えないままだ。
在宅勤務の拡大に合わせ、都心部のオフィス面積を減らそうとする動きも広がる。都市未来総合研究所の平山重雄氏は「オフィスの解約が少しずつ始まっており、大都市でより顕著だ。地価の停滞や下落につながっている」と話す。地価上昇のけん引役だった大都市に地価の下落要因が次々とのしかかっている。
(日本経済新聞2020.8.22)
2. 大阪のホテル、底打ち感 13施設稼働率6月18.2% ミナミは苦境続く!!
新型コロナウイルスで大きな打撃を受けた大阪市のホテルの稼働率に底打ち感が出ている。日本経済新聞社がまとめた主要13ホテルの2020年6月の平均客室稼働率は18.2%だった。過去最低だった5月から11ポイント近く改善した。ただキタとミナミでは回復に差が出ているほか、感染再拡大の影響も懸念される。
ミナミの道頓堀ホテルは以前は宿泊客の9割をインバウンド(訪日外国人)が占めていた。感染拡大で4月上旬から休業し、7月から土曜日限定で再開したが、宿泊客は僅かだ。橋本明元専務は「想像以上に先の予約が入らず、経営は非常に厳しい」と苦渋の表情で漏らす。
ミナミの苦境は数字でも明らかだ。6月の稼働率はキタが21%(前月比約15ポイント上昇)に対し、ミナミは6.4%(約4ポイント上昇)と回復が鈍い。クロスホテル大阪(心斎橋)など休業を続けているホテルもあり、再開を足踏みする要因の一つは採算が合わないことだ。
キタでは6月に入り移動制限が解除されたことでビジネス客を中心に微増した。大阪駅直結のホテルグランヴィア大阪は26.3%で、中之島にあるリーガロイヤルホテルは21.8%だった。感染者数は全国的に増加傾向にあり、出張控えや外出自粛の傾向が再び強まる動きもある。
(日本経済新聞2020.7.28)
3. 利用日指定オフィス拡大 賃料1/5、テレワーク普及で!!
国内で決めた日だけオフィスを貸すサービスが広がっている。サンフロンティア不動産は7月から申し込みを開始。不動産運用のいちごは年内にも都内物件で始める計画だ。テレワーク普及で働く人の出社する機会が減り、入居者の常駐を前提としたオフィスのあり方が変わってきた。
サンフロンティアは自社物件のワンフロア(約210平方メートル)を活用。申し込み開始後の約1カ月間で70件以上の問い合わせがあり、契約を検討する企業もあるという。
契約期間は3カ月以上で、利用料金は週1日で月30万円から。サンフロンティアで同じ広さを借りた場合、月賃料は150万円程度(家具なし)。日ぎめ貸しの賃料は約5分の1で済む。
スタートアップでは重要会議以外はオフィス出社しないケースがある。拠点としては貸会議室もあるが毎回利用する手続きが煩雑だ。中期的にコストも割高になるという。日ぎめ貸しは事前に曜日を決めて契約するため、1日限定や週単位での契約が多い一般的なシェアオフィスと異なる。
(日本経済新聞2020.8.7)
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株式会社アプレイザル総研
不動産鑑定士・宅地建物取引士 小林穂積
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著書:土地評価の実務 / 広大地評価の重要裁決事例集 / 広大地評価判定の実務