1.住宅販売にメタバース、全物件を「内見」!!
住友不動産は9月から、仮想空間「メタバース」で新築分譲マンションの販売を始める。不動産大手では初の動き。ネット経由で物件情報を3次元映像として見せ、オンラインで契約に結びつける。地方や海外在住者など遠距離の需要も取り込む。メタバースを使ったビジネスがゲームや小売りから不動産など高額商品に広がってきた。
メタバースではネット空間のアバター(分身)や仮想の展示を通じて商品を売買できる。住友不動産は今回、凸版印刷が運営するメタバースのショッピングモール「メタパ」に、住宅販売拠点「メタマンションキラリー」を開設する。
住友不動産が国内で手掛ける約80物件のうち、まずは20物件程度をメタバースでも販売する。アバター分身を使った購入の相談や、営業担当者による無料セミナーなども予定。注文住宅の販売も検討していく。
メタバースでは窓ガラスの形状などを詳しく把握でき、実際に部屋にいるかのように内見ができる。実物では1物件で数ダイプの部屋の紹介にとどまるが、メタバースでは全てのタイプの部屋を見られるようにする(日本経済新聞2022.8.1)
2.住宅ローン、団体信用生命保険(団信)の競争に熱!!
住宅ローン業界で、返済中に病気になったり亡くなったりした場合にローン残高がゼロになる団体信用生命保険(団信)の競争が熱を帯びている。ネット銀行を中心に、がん保障を申し込む際の上乗せ金利を安くしたり、特約の品ぞろえを増やしたりする動きが活発だ。
KDDI系でインターネット専業のauじぶん銀行は5月、がんになった場合に残債が全額保障される「がん100%保障団信」の上乗せ金利を引き下げた。通常金利に年0.2%の上乗せだったところを0・1%とした。2021年7月から同様に0・1%に引き下げたPayPay銀行や、ソニー銀行と同じく業界最低水準となった。
21年1月から一時的なキャンペーンで引き下げたところ顕著に申込者が増えた。100%のがん団信を申し込む人はキャンペーン前は1割以下だった。足元では約3割に増えた。auの携帯回線を契約するとさらにお得になるなど「グループ内の相乗効果を生かして競争力を高めている」(auじぶん銀行担当者)。
カーディフ生命保険の調査によると、21年の住宅ローン利用者の4割は特約付きの団信を選んでいる。割合は年々拡大し、がんなどに手厚く備えたい層は増えているようだ。
住宅ローンの契約時は罹患(りかん)リスクが低い若い世代が多いため保険料は割安になる。がんと診断されれば数千万円規模の住宅ローンの残債が帳消しになると考えれば、数百万円の一時金をもらう一般の保険より金額面のメリットも大きくなる可能性がある。(日本経済新聞2022.7.29)
3.不動産でデジタル証券を発行し、資金調達、物流施設対象、個人が支持!!
不動産運用会社のケネディクスは物流施設を裏付けとするデジタル証券を発行して資金調達を実施した。STO(セキュリティー・トークン・オファリング)と呼ばれる手法で、今回資金調達した約66億円は不動産ST0として国内最大となる。STOは安定して収益を得られる投資手法として個人投資家の間で人気が高まりつつある。
ケネディクスは2021年8月、日本で初めて公募型の不動産STOを行った。今回のSTOは同社として3回目で、裏付け資産は居住用の住宅でなく、神奈川県厚木市内で取得した圏央道に近い大型の物流施設を対象とした。
一口あたりの発行価格は100万円で、大和証券が投資家への販売を担った。4%の分配金利回りなどが支持され、個人投資家などから約66億円の資金を調達。調達額は物流施設の取得額の半分近くに達した。運用期間は原則として約7年を見込み、購入者は中長期で安定収益を得ることを想定する。
ケネディクスによると、国内で不動産STOによって発行された金額は累計300億円超という。新たな投資商品として認知度が高まり投資家層が広がることにより、市場規模は今後も拡大していくとみる。
中尾彰宏執行役員は、「ホテルを対象資産にしたSTOも検討する」と話し、不動産投資信託(REIT)や私募ファンド|に次ぐ「第3の事業の柱」を目指す。(日本経済新聞2022.8.19)
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株式会社アプレイザル総研
不動産鑑定士・宅地建物取引士 小林穂積
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著書:土地評価の実務 / 広大地評価の重要裁決事例集 / 広大地評価判定の実務