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建替えの必要性と立退料の提供による正当事由を認めた判例【判例1】

立退料提供による正当事由を認めた判例

【本件建物に居住するYに対し、Xが朽廃及び建替えの必要性を理由として解約申入れしたところ、本件建物は朽廃に至っているとは認められないものの、建替えの必要性を一定程度認め、立退料230万円の提供により正当事由を具備するものとした事例】

東京地判平22・7・28(平20(ワ)29022)

本件は、昭和36年に建築され、築50年近く経過した木造共同住宅につき、Xが建物の朽廃及び建替えの必要性を理由として、本件建物に居住するYに解約を申し入れたところ、230万円の立退料の提供により正当事由を認めた事案である。

老朽化

本判決は、本件建物が現に自立し、実際にYが居住していることから、朽廃に至っているとまでは認めなかったものの、共同トイレが使用不能であることや、扉を紐で括り付けていることが窺えるなど、相当程度老朽化していることは否定できず、建替えを理由とするXの建物使用の必要性を一定程度認めた。ただし、具体的な建替計画がないことからその必要性は強度なものとまでは言えないとした。

他方、Yは本件建物に居住しているものの、付近に貸室がない訳ではなく、Y自身が従前の調停の際には400万円の立退料で立ち退くと述べているなど、Yが明渡しを拒む理由の最たるものは経済的なものであって、立退料の支払により十分補完可能であるとした。

その上で、本件借家権価格や移転に伴う費用等を勘案すると、立退料は230万円が相当であるとした。

 

建替えの必要性を認め50万円の立退料により正当事由が具備されたとした判例

立退料50万円

【木造築58年の本件建物に居住するYに対するXの解約申入れにつき、建替えの必要性を認め、XがYに転居物件を多数紹介していることから、50万円の立退料の提供により正当事由が具備されるものとした事例】

東京地判平22・9・29(平22(ワ)8365)

本件は、本件建物に居住するYに対し、Xが建て替えを理由として解約申入れをしたところ、立退料の提供により正当事由を認めた事案である。

本判決は、まずXの建物使用の必要性につき、本件建物の耐震診断において、上部構造評点0.7以下の場合は「倒壊する可能性が高い」とされるところ、昭和26年に保存登記がなされた築58年の木造瓦葺2階建ての本件建物の上部構造評点は0.07であり、倒壊する可能性が高い事、、本件建物からの収益と補強工事費用等を勘案すると、本件建物の修繕・補強工事を実施することは経済的合理性を欠くとした。

他方で、XはYに対し、本件建物と同程度の賃借条件である複数の物件を紹介しており、Yが転居するのに不都合な事情は認められないとした。

さらに、XがYに対し、50万円の立退料を申し出ていることを考慮すれば、本件解約申入れには正当事由があるとして、立退料の提供と引換えにXの明渡請求を認めた。

 

立退料と代替物件の提供により正当事由が具備されるとした判例

【大阪市東住吉区の木造2階建て住宅を賃借するYに対し、親族の介護のために本件建物のを使用する必要があるとしてなされた解約申入れにつき、立退料400万円の提供及び代替賃貸建物の提供により正当事由が具備されたとした事例】

大阪地判 昭62.11.27 判例タイムズ680・170

本件は、大阪市東住吉区にある木造2階建ての住宅を賃借するYに対し、義母及び二人の息子の介護をするための住宅が必要であることから、本件建物を取り壊し新たに3階建ての居宅を建築することを目的に、Xが解約の申入れをした事案である。

入院中

本判決は、Xの介護の必要性を重視し、30年以上にわたって賃借してきたYの心情は理解できるものの、金銭的補償及び代替賃貸建物の提供によって償われる程度の損失であると認定した。

すなわち入院中であるXの義母は、膝関節症、股関節症等により歩行困難であるとともに一人では食事の準備もできない状況であることから、退院後はXらと同居する必要があるが、現状の住居は手狭で入居が困難である事及びXの長男(6歳)は難病であるペルテス病、次男(4歳)は小児喘息の症状があり、仮に義母が別の住宅に住むのでは、子供の介護と義母の介護の両立が困難であることから、Xが建物を必要とする理由は相当程度強いとした。

他方で、Yの事情としては、30年以上居住し隣人との人間関係を築き上げてきたこと、これまで自己の費用で屋根の葺き替えや壁の塗替えを行ってきたことなどが認められるが、Xの使用の必要性と比べると重視することはできず、Xが本件建物から徒歩数分の位置にある代替建物の提供を申し出ていることからすれば、金銭的補償及び代替賃貸建物の提供がなされれば正当事由が具備されると判示した。

本判決は、金銭的補償及び代替賃貸建物の提供と本件建物の明け渡しを引換え給付としており、判決において代替賃貸建物に関する賃貸借契約の内容をも詳細に定めている点に特徴がある。

賃貸借契約

立退料の額については、Yが自費で建物の修理を行った事実や転居後に代替建物の一部増築工事が必要であることなどを総合考慮し、400万円と定められた。

 

 出典:新日本法規出版の書籍

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