1.関西、路線価3年ぶり上昇万博、訪日客追い風!!
国税庁が7月3日発表した2023年分の路線価(1月1日時点)は、近畿2府4県の標準宅地の平均値が3年ぶりに前年を上回った。大阪府の商業地など都市部を中心に不動産投資が回復した。新型コロナウイルス禍の収束によりインバウンド(訪日外国人)が戻るとの期待や、2025年国際博覧会(大阪・関西万博)を前に都市開発が進むとの見通しが追い風となった。
2府4県全体の路線価(標準宅地の平均値)は22年比でプラス0.7%と、22年の前回調査(マイナス0.2%)から上昇に転じた。プラスとなるのは3年ぶり。2府4県の83税務署で最高路線価が上昇したのは52と前年の21から大幅に増加した。
今回の路線価における特徴はコロナ禍後を見据えた商業地への投資回復だ。近畿の税務署別最高路線価で最も上昇率が高かったのは、10.8%増となった京都市右京区西院高山寺町の阪急電鉄院駅前だった。
インバウンド回復をにらみ、外国人観光客にも人気の京都や奈良ではホテルなどへの投資意欲が戻っている。京阪電鉄の祇園四条駅に隣接する京都市東山区四条通大和大路西入中之町(上昇率は6%)や、奈良市内の中心部を東西に走るメインストリートである大宮通り沿いの奈良市東向中町(同5.8%)などでも路線価が大きく上昇した。
大阪・関西万博への期待も地価を押し上げている。会場の人工島・夢洲(ゆめしま)への乗換駅となるため、ホテルなどの開発が進むJR弁天町駅周辺に位置する大阪市港区弁天1丁目は10%上昇した。(日本経済新聞2023.7.4)
2.マンション節税防止へ相続税高階層の負担増、算定実勢価格を反映!!
国税庁が「マンション節税」や「タワマン節税」の防止に向け、相続税の算定ルールを見直す方針を固めた。実勢価格を反映する新たな計算式を導入。マンションの評価額と実勢価格との乖離(かいり)が約1.67倍以上の場合に評価額が上がり、高層階ほど税額が増える見通しだ。年間10万人以上の相続財産が課税対象となる中、税負担の公平化を図る狙いがある。
現行ルールは1964年の国税庁通達に基づく。国税庁は財産の評価方法を定めた通達を2023年中に改正し、24年1月1日以降の適用を目指す。現在は実勢価格の平均4割程度にとどまっている評価額が6割以上に引き上がる結果となる。
見直し議論が本格化したきっかけは、22年4月の最高裁判決だ。購入価格が計13億円超のマンション2棟の評価額を3億3千万円とした相続人に対し、実際の評価額は12億7千万円だとした国税当局の追徴課税を認容。判決理由で「他の納税者との間に看過しがたい不均衡が生じ租税負担の公平に反する」と言及した。(日本経済新聞2023.6.27)
3.マンション相続税見直し高層階・新築ほど負担増来年1月から!!
国税庁は6月30日、マンションで新たに導入する相続税の算定ルールを発表した。専門家の試算で、高層で新しいほど税負担が増える傾向の一方、税額が変わらないケースもみられた。カギを握るのが「階数」と「築年数」だ。国税庁は2024年1月からの適用を目指しており、ルールの周知も焦点となる。
ルール見直しは評価額が実勢価格より低いことを利用した「マンション節税」や「タワマン節税」抑止が狙いだ。新たな算定法により、現在、実勢価格の平均4割程度となっている評価額は6割以上に引き上がる。
「見直し後の評価額や税額に特に作用するのが階数と築年数だ。試算に協力した税理士は「築浅・高層で税負担は増える傾向がある。低層や地方立地のほか実勢価格が高くない物件などは変わらないケースも多い」と話す。マンション節税に関する納税者の関心は高い。22年4月に最高裁で過度な節税を認めない判決が出て以降、ランドマーク税理士法人に富裕層から相談が相次ぐ。代表の清田幸弘税理士は「評価額が上がって納税額が増えたとしても、ルールが明示されたほうが国税当局に突然課税されるリスクが下がり、予測可能性の観点から望ましい」と話す。
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株式会社アプレイザル総研
不動産鑑定士・宅地建物取引士 小林穂積
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