不動産鑑定はどういう時に役立つ

1.不動産鑑定とは…

(1)不動産鑑定評価基準によれば、『不動産鑑定評価とは、その対象である不動産の経済価値を判定し、これを貨幣額をもって表示することである』といってます。

なぜ不動産鑑定評価基準でわざわざこのように定義づけるかというと一般の諸財と違って不動産の適正な価格を求めるには鑑定評価の活動に依頼せざるを得ない理由があるからです。

その特性とは

不動産の特性
①不動産は固定している(固定性)
②不動性(非移動性)
③永続性(不変性)
④不増性
⑤個別性(非同質性非代替性)等です。

即ち不動産は上記のような特性があるため不動産のオープンマーケットがありません。したがって、不動産の適正な価格を求めるには鑑定評価の活動によらざるを得ないのです。

不動産の適正な価格

 

2.不動産鑑定は誰でもすることができるのか?

不動産鑑定は不動産鑑定士のみ不動産鑑定評価基準によれば、「不動産鑑定士は、不動産の鑑定評価を担当する者として、十分に能力のある専門家としての地位を不動産の鑑定評価に関する法律によって認められ、付与されたものである」と述べています。

即ち不動産鑑定は不動産鑑定士のみに与えられた独専事項ということになります。責任重大です。

 

3.不動産鑑定士とは

不動産鑑定を行える不動産鑑定士とはどういう資格なのか?

不動産鑑定士は、不動産の鑑定評価に関する法律により規定された国家資格であり、不動産の鑑定評価に関する高度の専門職業家として、不動産の鑑定評価を行うために必要な資格です。

不動産鑑定士になるためには、試験に合格し実務修習を修了した上で、登録を受ける必要があります。

 

4.どのような場合に不動産鑑定が必要か?又は活用できるのか!

不動産鑑定は、誰でもできるものではなく、不動産鑑定士という国家資格をもつ不動産の専門家が行うものです。

具体的には次のような場合に使われています。

公的なもの

・地価公示

・基準地価

・固定資産税評価

・路線価

・国道・都道府県・市町村や道路や土地の用地買収

・国・都道府県・市町村の道路の所有地売却や購入する場合

・都市計画道路の用地買収

 

法人・金融機関

・法人所有の不動産の時価評価が必要な時

(ex. 株価の評価、株式・出資の評価、減損会計、売却・購入時の評価etc…)

・担保評価(お金の貸出し・借入れ)

・現物出資するとき

・同族法人間の不動産の売買・交換等

・法人と役員間の売買・交換等

 

個人

・銀行から不動産を担保に貸入れする時

・遺産分割する時

・相続税の申告、更正の請求で、土地の評価を下げたい時

・同族親子・兄弟間で不動産を売買等する時

 

5.不動産鑑定書と査定書・調査書等の違いとその効果について

①不動産鑑定書とは

不動産鑑定評価基準に基づく鑑定評価書であり、「不動産の鑑定評価に関する法律第3条1項」に基づく精度の高い不動産鑑定書です。

不動産鑑定書

たとえば、更地の鑑定評価額は、更地並びに配分法が適用できる場合における建物及びその敷地の取引事例に基づく比準価格並びに土地残余法による収益価格を関連づけて決定するものとする。

再調達原価が把握できる場合には、積算価格をも関連付けて決定するものとする。当該更地の面積が近隣地域の標準的な土地の面積に比べて大きい場合等においては、開発法による価格をも比較考量して決定するものとする、とあります。

②不動産の査定書・調査書等(以下調査書)とは

上記①の不動産鑑定額を求めるに当たり不動産鑑定評価書に必要とされる調査事項や各種試算価格、記載事項等を一部省略する代わりに、料金は半分ないし1/3程度に抑えた価格になっています。

物件調査書

たとえば更地の価額を求める場合、不動産鑑定書では上記のごとく3つの試算価格(比準価格・収益価格・積算価格)並びに開発法が可能な場合は開発法による価格をも比較考量して決めるところですが、調査書の場合比準価格のみということもあり得ますので、不動産鑑定士による価格と調査書で求めた価格は同じになる可能性は低いと言えますし、信頼度も異なることになります。

なお、たとえば土地の価格を求めるにあたり、比準価格及び収益価格を関連づけて決定する。再調達原価が把握できる場合には積算価格をも関連付けて決定する、とあるのに、比準価格のみで土地の価格を求めたら、手法を全て使わなかった、又使わなかった理由が明確でないということで鑑定書が信頼を失うというケースがあります。

調査書は1手法しか使わずに価格を決めたら、それはそれなりの信頼度の低いものだと割り切って、使うことをお薦めします。

提出先によっては、調査書ではダメだというところがあるので、不動産鑑定事務所に依頼する前に不動産鑑定書にするか調査書にするかよく検討する必要があります。

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不動産鑑定士 小林穂積【運営者】
株式会社アプレイザル総研
不動産鑑定士・宅地建物取引士 
小林穂積
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電話:0120-987-134 北浜駅より徒歩5分
著書:土地評価の実務 /  広大地評価の重要裁決事例集 / 広大地評価判定の実務

 

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