認知症になり、意思能力がなくなれば、不動産の売却をしようとしても、不動産の売買契約を締結できません。
又、代理人を介してもダメですが、成年後見制度を利用すれば不動産の売却は可能になります。
成年後見制度を利用する場合には、成年後見人は、成年被後見人の居住の用に供する不動産の売却等を行う場合、家庭裁判所の許可を得る必要があります。
なお、居住用不動産等の売却にあたり、裁判所の許可を得るには「居住用不動産処分の許可の申立て」が必要です。
その折に必要な書類で、次のような書類です。
ロ. 不動産全部事項証明書(不動産謄本に該当します)
ハ. 固定資産税評価証明書
二. 売買契約書(案)
ホ. 不動産の査定書又は不動産鑑定評価書
成年被後見人の居住の用に供する不動産を売却するにあたっては適正な時価での売却を求められます。
しかしながら適正な価格の把握は難しく、地価が上昇傾向の時であったり、又逆に下落傾向であったり、不整形な土地で使い方に難がある不動産等の場合、適正な価格水準とかけ離れている可能性は十二分に考えられます。
不動産によっては坪単価数万円が総額数百万円に価額の開きが生じたりすることも多分にあるのが不動産です。
又買主や不動産業者の言葉に惑わされ、不動産を適正な時価よりも著しく安く売却ということも起きうる可能性もあります。
成年後見制度を利用して、成年後見人が不動産を売却したが、被後見人に損害を与えてしまった場合には、後見人はその損害を弁済する必要が生じます。
不動産の売却により損害を与える可能性がある場合として考えられるのは、不動産を時価より著しく安く売却してしまった場合です。
そのような事のないように適正な価格(時価)を把握するために、成年後見人による不動産の売却にあたっては、不動産鑑定評価書を利用することをお勧めします。
不動産鑑定評価書を活用することによって安心した不動産の売却が可能になるからです。
株式会社アプレイザル総研
不動産鑑定士・宅地建物取引士 小林穂積
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著書:土地評価の実務 / 広大地評価の重要裁決事例集 / 広大地評価判定の実務